調香師 K(2017.4.20.)
世の中には数多くの香り製品を見つけることができますが、香りそのものを直接楽しむ製品として香水以外に芳香剤があります。
近年、オーガニックなものからスタイリッシュなものまで、幅広いタイプの芳香剤が製品化されていますので今回整理してみました。
使用場所・用途別・機能等多岐にわたる差別化
まず用途別に市場を調べてみると、驚くほど細分化されていることが分かります。場所で分類すれば、部屋、トイレ、玄関、浴室、キッチン、クローゼット、下駄箱、ゴミ箱、エアコン、お仏壇、車と多岐に渡ります。部屋用では更に細分化され、リビング、寝室、子供部屋など消費者に訴えた商品が展開されています。
訴求ポイント、機能性のアピールでは、芳香は当然ですが、微香、消臭、脱臭、ペット臭、タバコ、除菌、介護用、男性用、女性用など、各メーカーのマーケティングアイデアが商品化に繋がっています。
視点を製品形態に変えてみると
こちらも様々なタイプに分類されています。水性液体、油性液体、水性ゲル、油性ゲル、エアゾール、ミスト、圧縮紙含浸、ケイ酸含浸体、半透膜フィルム、吸水ポリマー、線香、キャンドル、リード、樹脂含浸と様々な技術があります。個人的に最近の製品で驚いたのは、ガーデニング用、火を使いたくない仏壇用、カイロ、個人用持ち運び可能な芳香剤などです。柔軟仕上げ剤、入浴剤に至ってはその基本機能よりも香りがアピールされており、芳香商品としての役割が大変重要視されています。
あらためて、芳香剤を整理してみて
トイレのキンモクセイの香りから始まった現代日本の芳香剤市場は、世界に誇れる繊細な香りの嗜好によって細分化されてきました。海外では日本のマーケットには追い付いていません。この先もどんなアイデアが出てくるのか楽しみな市場です。
皆様もドラッグストアでちょっと足を止めて、香りを楽しむ製品をご覧になってみると、新たな発見があるかもしれません。